2009年1月7日水曜日

WEDGWOOD 経営破綻のニュースと工芸

英国の代表的な高級食器メーカー「ウエッジウッド」経営破綻のニュースが2009年早々にマスコミに流れた。
2008年8月 岐阜県現代陶芸美術館にてWEDGWOOD創立250周年記念展が開催され当ブログでも紹介をしたばかりである。
日本とのつながりは8代目の奥様が日本人であったり、ご主人である8代目がインドネシアに生産拠点がある為か、日本が主要マーケットである為なのか日本に逗留中であったりと深いつながりを保っていた。

ジャスパーをはじめ、日本でも多数のファンを持つ高級食器の老舗ブランドの経営崩壊、破綻は今回の世界恐慌と無関係ではないが、工芸業界に関係する立場から見れば昨今の企業統合、企業買収などの(金融資本主義 or 株主資本主義)の影響がもっとも大きな誘発要因ではないのだろうか。

中国をはじめとする新興工業国の台頭は金融資本主義が加速度的に世界経済の変革を助長して来た。
世の流れと一言で片付けられない現象である。

本来のものづくりを中心とした経済世界の構築に今回の世界恐慌が少しでも舵取りが出来ればと切に願うばかり。

価格訴求と株主への気配りからか、より効率的な経営にシフトした老舗ブランドの品質低下も大きな要因である。
かって工芸や美術は王侯貴族やタニマチの庇護の下にその成り立ちと成長があった。
現代社会はニーズの多様化、生活パターンの変化も大きな要因ではあるが、より効率的な経営と価格訴求からくる大量生産を見直す時期ではなかったのか。
ウエッジウッドやバカラ等高級品と云われる老舗ブランドは創業地生産の時代の製品を見直して欲しい。
歴史を経た老舗高級ブランドのあり方は、効率重視の大量生産とは一線を画した経営が必要はないか。
価格に見合った品質と憧れの製品作りに立ち返った経営が可能になる事を願うばかりである。

エッジウッドのCEOは現在買収先スポンサー企業を物色中と楽観的見通しを表明しているが、上記の必要十分条件を満たすスポンサー企業が現れることを願うばかり。

日本の伝統産業も状況はあまり変わらない。
代表的な工芸産業の漆器等は現在の技術レベルの維持や素材の品質の保持は風前の灯である。

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