2009年1月20日火曜日

工芸作家-春日井範之氏









久しぶりに小原の工芸作家-春日井範之氏を訪ねた。

小原は寒い所である、南国育ちの私は冬の山間の道が嫌いである、以前は仕事で良く小原の里を訪れていた。
なんのてらいも無く車を運転中 日陰のカーブで突然ハンドルを捕られ、あわやと言う経験が多々ある、路面が凍結していたからである。
冬場は極力足を運ばない場所であるが所要で先日小原を訪れた。

当日は日曜日、帰りに春日井範之工房の前を通りがかり、お留守かなと思いつつ工房に立ち寄った。
どうやらご在房の様子、突然の訪問で驚かれたようであるがアトリエにあがりこみ、氏の近作を拝見。

氏は小原の工芸作家である、簡単にプロフィルをご紹介。
1948年 工芸和紙の里 小原で 功労者藤井達吉翁の直弟子を父に生まれる。
多摩美術大学日本画科で加山又造に学び 日本現代工芸展 光風会展 日展などに出展 入選 入賞を重ねる
現在そろそろ還暦に近いベテラン工芸作家である。








プロフィルからもわかるように、大学で日本画を学び、故郷に帰り、直ちに父に師事し工芸和紙の制作をはじめる。
現在でも代表的な小原工芸和紙の手法の作品は多くを占めるが、意欲的な作品に出会った。
日本画の素養を十分に生かしたデッサンに裏うちされた静物、風景、抽象画などを従来の藤井達吉翁が発案した小原工芸和紙の手法に加え二次元の絵画を3次元的立体画として捉える手法を用いた作品である。
キャンバスとなる和紙のベースに、意図する形を粘土状の素材で盛り上げ、上から薄い和紙を丁寧に数回から数十回重ね形を固定させ、漆を蒔き 漆絵を作成。
又金彩を漆とあわせ金蒔き漆の作品に仕上げたものもある。
平面作品から立体作品への挑戦と思われる習作も見て取れた。
老い込むには早すぎる、意欲的に創作活動をしている姿にうれしくなった。
マダマダ和紙と言う 日本的素材を生かした新工芸分野の開発は充分可能だと思っている。
用の美の極致が工芸であるならば、今こそ変わるべき時、グローバル化した現在の社会環境化であれば尚。
誇るべき日本文化にこだわり、夢のある新しい工芸に再チャレンジするチャンスだと!
工芸やアートを取り巻く環境は厳しいがクリエーターの積極的な意欲がある限り必ず活路はあると信じたい。
春日井範之氏に久しぶりにお会いし 工芸の復活を願う気持ちを再認識。

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