2008年9月24日水曜日

工芸雑感 3 (文化としての工芸)

黄金比率白金比率
黄金比率と言う定義があり、一方で白金比率と言う定義がある。
黄金比率は2006年大ヒットした映画 ダヴィンチコードで一躍有名になり各マスコミでも大々的に取り上げられたことは記憶に新しい。

比率とはパルテノン神殿の建築やモナリザの美しさには最も美的に美しいとされる縦横比率が用いられ、西洋に昔からある美の比率。
人間にとって最も安定し美しい比率とされ、建築や美術的要素の一つとされ、縦横2辺の長さの比が黄金比になっている長方形は、どんな長方形よりも美しく見えるとされている。
すなわち 1-1.618の対比いわゆる9:16で横長ワイドTVやDVDのサイズでありわが国でも多くの物品の規定サイズに使われている。日常生活では コピー用紙のA版の比率が黄金比率であり、他に名刺 新書版 パスポートタバコの箱等が黄金比率サイズである。

一方白金比率は別名大和比とも言われ、日本独自の美意識である。
代表は法隆寺の五重塔の建築物だとされ、コピー用紙で云えばB版は江戸時代に将軍家が使用していた美濃紙に由来する日本独自の規格、『紙の博物館』がそれにあたり比率は 1:√2で表され、中学で習った 1.41421356である。残念ながらPCの普及に伴い役所の書類も、今や続々、A判に移行中なのだとか。
五重塔以外にも仏像の顔の比率や全体像の比率、又に従来の大工の持つ曲尺 (さしがね) には裏側に、裏目として角目と呼ばれる目盛(√2を掛けたもの)が刻まれている。
白人の美形が黄金比の 1:1.6 であれば、縄文人の美形は、白銀比の 1:1.4 という、仏像等にも見て取れる、ふっくらした顔立ちか。 又、はがきや新聞がこの比率である。
白銀比には、長方形の長手方向に半分すると元と相似な白銀比の長方形になると言う、不思議な性質がある。
この白銀比の特性が建築材の実用性を高めた事は想像に難くなく、日本の美を想像してきたといえる。残念なことに現代の日本間を見ても特に白金比率は見当たらず衰退してしまったと言わざるをえない。

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