2008年12月17日水曜日

東アジアの海とシルクロードの拠点--福建










日本の工芸文化の底辺に脈々と流れているシルクロード文化を端的に表した 展示会が愛知県陶磁器資料館で展示されていた。

私にとって現地名-福建地域との最初の出会いは春秋呉国や越の国、少年期の愛読書 三国志演義 孫堅・孫策・周諭らの英雄が活躍する三国呉国で歴史ロマンの1ページとしての登場が最初だったと思います。
現在の江蘇省(南京)浙江省(杭州市)福建省(福州市)広東省(広州市)等 中国南部地域である。

又、長江流域文化が漢民族の文化として我々日本文化の形成に多くの役割を持ち、広く知られているのに比し、海洋民族で武力や又、沿海貿易で琉球や九州、南アジアにまで勢力を拡大していった 古代閩越、百越の民がわが国にもたらした多くの文化遺産はあまり認知されてない。










インゲン豆の隠元和尚と黄檗禅、煎茶文化や鉄砲伝来もこの東南地域の民によってもたられれたものである事がよくわかる。
新しい発見 ? は客家(はっか)の民の説明のくだりで、客家の成り立ちと思想、排出された多くの偉人達、文天祥、洪秀全、孫文、鄧小平 胡耀邦、李登輝等が客家出身だとか。大いに学ぶべきところかと。

展示は プロローグ 閩・越の時代 第一章 唐・五代の福建 第二章 宋・元の福建 第三章 明・清(鄭和 鄭成功の時代) 第四章 沈没船と陶磁器 参考出品 国内所蔵の福建陶磁の各ブースに区分展示され、前漢期・東晋期・南朝期・唐期・五代期・宋期・元期・明期 のマップと時代別の福建の社会的背景や窯業地名等が詳細に分類展示されていて、各時代の陶芸品や工芸品の展示とその時代背景の説明文、 又日本とのかかわり等大変わかりやすく興味深いものでした。









茶道具
とのかかわり、近松文学にも題材として取り上げられた国姓爺-和唐内のくだりや難破船から引き上げられた陶磁器類の展示は工芸を離れた歴史ロマンを感じ、隣国との深いつながりに歴史の重さを感じ現代に生きる私たちが日ごろ忘れている民族の成り立ちや工芸文化の再認識をした企画展でした。

展覧会は 2008年10月25日~2009年1月12日が 愛知県陶磁器資料館
2009年4月13日~5月18日が学習院大学史料館と明治大学 博物館併催
2009年6月1日~7月17日までが仏教大学 宗教文化ミュージアム(京都)
2009年8月29日~10月12日までが山口県立萩美術館とこれから約1年国内を 巡回するようです

色々筆足らずの説明より 百聞は一見にしかずとか ご覧になればその素晴らしさが ご理解いただけると思います。

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