2008年11月8日土曜日

工芸雑感 9 (漆の起源)

かって定説となっていた 漆器の起源 中国長江下流域起源説が疑問視され 漆は漆木そのものが大陸からの伝播ではなく、日本固有のものであり 漆器の起源は日本であるとの説が専門家の最新学説として議論されている。
中国東北部の遼寧省で現存するウルシの木のDNAと日本の漆木のDNAが異なる事が最近判明。
日本で発見されている縄文漆器は現在世界最古の漆塗櫛である等の状況も中国紀元説が否定的になりつつある要因か。
かように歴史的に見ても工芸にとって非常にかかわりの深い素材である。
磁器を china ware と言うが 漆に対する英単語は japanese lacquer 又はJapanであることなどもかかわりの深さを感じる。
歴史は古く縄文前期 約5500年前まで遡る事が出来、木胎や陶胎であった。
神事の祭礼用具や日用品 装飾品 武具 茶道具にまで、近代に入ってからは有力な貿易輸出品としても存在感のある産業でもあり、実に多岐にわたって使用されてる。

基本は堅牢性の補助であるが 防水性、防腐性、防虫効果、防錆効果、であったり 意外な効用として、漢方などでは滋養強壮、血行促進、胃腸薬、咳止めとしての役割まで持っていたと思われる。

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