2008年9月26日金曜日

工芸雑感 5 (工芸と仏教美術)

仏像の果たした役割
仏教が大陸経由で輸入され、聖徳太子の保護の下為政者がツールとして活用を始めた事で、後の工芸史に仏教美術が大きなウエイトを占めることになる。中心は仏像・仏画である。

偶像崇拝は ユダヤ教やイスラム教 キリスト教(聖像は許容)では基本的に認めていない。

特にイスラム教の場合は タリバン政権による、バーミヤン仏教遺跡の破壊行為は記憶に新しい。
初期仏教は、特に否定も肯定もせず排除はなされなかったが、仏像は存在していなかった。
釈迦入滅後数百年を経て 仏像崇拝が方便上容認され今日にいたる。

中世以降の工芸技術発達の過程より見れば、有力後援者と豊かな資金を獲得する事により高度な工芸技術が育つ下地が生まれ、木彫、金工、石彫、絵画などすべてのジャンルに及ぶ。
工芸としての仏像制作の実績の波及効果は結果として、神道や儒教など他分野にも及び、仏教が一部の特権階級の社会的シンボルから庶民の生活規範に及ぶにいたり、その後の工芸活動の伝播に大きくに寄与する事となる。

近世、近代と社会構造と生活状況の変化に伴い造形の対象物は多様化しつつ今日の状況となる。

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